つもった落ち葉を蹴飛ばして歩く。危ないよ、と言った途端に転ぶからから、思わず笑ってしまう。
「ひどい」
 呆然と呟くに、牛尾はすまなさそうに「ごめんね」と手を差し出した。
「でも僕はちゃんと忠告したよ」
「うん。それに助けてもらったし、笑うのもまあ当然の反応だと思うんだけど、」
「だけど?」
「どうして、こんなところに水溜りがあるのかなあ」
 手をつないだまま、は靴の先でで落葉をかきわける。凍った地面が覗く。
「ああ、冬だからね。きっとこの先、もっと増えるよ」
 それよりまだ立たないのかい、と牛尾が言うと、は唇を尖らせた。
「転倒する確率が増えたのに歩き出すのは憂鬱だと思わない?」
「なんだ、そんなことか」
「重要な問題だよ」
「解決策が見えているから悩まなくても大丈夫さ。ほら、立ってごらん」
 おそるおそる立ち上がったの手を掴んだままで牛尾が歩き出す。
「こうしていれば一人で転ぶこともないだろう?」
 二人で転んだら改めて文句を言おうじゃないか、と言って、また笑った。

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